【2026年11月改定】カナダExpress Entryとは?永住権の変更点と留学生への影響

【2026年11月改定】カナダExpress Entryとは?永住権の変更点と留学生への影響
目次

「カナダに留学した後、そのまま現地で働くことはできるの?」

「子どもが将来カナダで暮らしたいと言ったら、今から何を準備すればいい?」

カナダ留学を検討する方や保護者の方のなかには、留学中の生活だけでなく、卒業後の進学・就職まで気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方に知っていただきたいニュースがあります。カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)は2026年10月16日、永住権の申請候補者を選抜する「Express Entry」のポイント制度を改定し、11月3日から適用すると発表しました。

今回の変更では、カナダ国内での就労経験や、特定の高賃金職種での求人オファーが、これまで以上に重視されます。

ただし、「カナダに留学すれば永住権を取得できる」という制度ではありません。大切なのは、制度を正しく理解し、本人が学びたいことや将来やりたいことに合わせて留学の道筋を考えることです。

この記事では、改定内容を分かりやすく整理しながら、カナダの高校・大学・カレッジ留学を考える方が、将来に向けて知っておきたいポイントをLife Journeyの視点からご紹介します。

※制度情報は2026年10月18日時点のカナダ政府公表資料に基づきます。施行日は2026年11月3日です。

Express Entry(エクスプレスエントリー)とは?

Express Entryは、カナダで永住権の取得を目指す人のうち、一定の経済移民プログラムに該当する候補者を管理・選抜する仕組みです。

対象となる主なプログラムには、カナダでの就労経験を重視するCanadian Experience Class(CEC)、海外を含む技能職の職歴などを評価するFederal Skilled Worker Program(FSWP)、特定の技能職を対象とするFederal Skilled Trades Program(FSTP)があります。また、一部の州推薦プログラム(PNP)もExpress Entryと連動しています。

候補者は年齢・学歴・英語またはフランス語の能力・職歴などをもとに、CRS(Comprehensive Ranking System)という点数で評価されます。招待ラウンドで選ばれた人が永住権申請へ進める仕組みです。

Express Entryは留学ビザそのものではなく、永住権取得を目指す際に関係する制度です。今すぐ海外就職を考えていない中高生にとっても、将来の選択肢を知るためのニュースとして捉えてみてください。

引用元:カナダ政府「Canada refocusing Express Entry on top talent that drives economic growth」

2026年11月3日からの制度改定、重要な変更点は3つ

今回の改定で押さえておきたいのは、次の3点です。

変更点 新しい制度のポイント
① カナダ就労経験の評価 対象の高賃金職種で1年以上働いた経験に、最大70点を追加
② 求人オファーの評価 対象の高賃金職種の有効な求人オファーに50〜100点を付与
③ LMIA要件 Express Entryで対象となる求人オファーの評価に、原則LMIAが不要に

さらに、既存のExpress Entryプロフィールは新制度に合わせて自動的に再計算されます。作業には最大2週間かかる可能性があり、その間は招待ラウンドが一時停止される予定です。

今回の変更から見えてくるのは、カナダ国内で積んだ実務経験や、現地の労働市場で求められる専門性をより重視する方向性です。

引用元:カナダ政府「2026 changes to points for Canadian work experience and job offers」

変更① カナダでの就労経験に最大70点の追加ポイント

新制度では、これまでのカナダ就労経験の年数によるポイントに加えて、対象の「高賃金職種」で一定期間働いた経験に追加ポイントが付くようになります。

対象となる経験は、原則としてカナダ国内での適格な就労経験が12か月(1,560時間)以上ある場合です。

職種の賃金水準(カナダ全体の基準と比較) 追加ポイント
2.0倍以上 70点
1.5倍以上(2.0倍未満) 40点
1.3倍以上(1.5倍未満) 20点

就労年数に対する従来のポイントと合わせた「労働市場統合」の評価は、配偶者等を同伴しない場合は最大150点、同伴する場合は最大140点です。150点がすべて新たに追加されるという意味ではありません。

「高賃金職種」は本人の給料の高さだけでは決まらない

ここは特に間違えやすいポイントです。今回の基準でいう高賃金職種は、本人の給与額だけを見て判断するものではありません。

カナダの職業分類「NOC」ごとに、全国の賃金データを使って決められた職種単位の区分が適用されます。例えば本人の給料が高くても、対象のNOCに入らなければ高賃金職種の追加ポイントは得られません。

職業名だけで判断せず、実際の仕事内容に合うNOCコードと、政府の対象職種リストを確認することが重要です。

引用元:カナダ政府「2026 changes to points for Canadian work experience and job offers」/カナダ政府「High-wage occupations and how we assess them」

変更② 高賃金職種の求人オファーにも50〜100点を付与

2025年3月にいったん廃止されていた求人オファーに対するCRSポイントが、2026年11月3日から一部復活します。ただし、どの仕事の求人オファーでも加点されるわけではありません。

求人オファーの職種区分 CRSポイント
全国の基準賃金の2.0倍以上 100点
1.5倍以上(2.0倍未満) 70点
1.3倍以上(1.5倍未満) 50点
対象の高賃金職種ではない 0点

対象の求人オファーは、原則として永住権取得後もカナダで少なくとも1年間、フルタイムで継続して働く内容など、一定の条件を満たす必要があります。

また、新たな「労働市場統合」要素では、「就労経験によるポイント」と「求人オファーによるポイント」は合算されず、高い方だけが採用されます。

将来の仕事選びを考えるときも、「求人があれば必ず永住権に近づける」と単純には考えず、どのような職種・条件が対象かを見ることが大切です。

引用元:カナダ政府「Changes to Express Entry for high-wage occupations」

変更③ LMIA不要に。ただし「カナダで働くための手続きが全部不要」ではない

LMIA(Labour Market Impact Assessment)は、外国人労働者の雇用に関係する労働市場影響評価です。

今回の変更では、Express Entryにおいて適格な求人オファーをCRSポイントや対象プログラムの適格性判断に使う際、従来求められていたLMIAの要件が見直されます。

これは、対象者にとって重要な変更ですが、LMIAがカナダのすべての就労許可・雇用手続きで不要になるわけではありません。就労許可の種類によって、別途LMIAが必要なケースもあります。

また、求人オファーの真実性や雇用主の実態、応募者の適格性については、引き続きカナダ移民当局が確認します。

「オファーをもらえば誰でも永住権申請が通る」ということではない点も覚えておきましょう。

引用元:カナダ政府「2026 changes to points for Canadian work experience and job offers」/カナダ政府「Changes to Express Entry for high-wage occupations」

今回の改定はカナダ留学生にどのような影響がある?

ここまで聞くと、「カナダ留学をすると、新しいポイントがもらえるの?」と気になった方もいるかもしれません。

結論からいうと、留学したという事実だけで、今回の高賃金職種の就労ポイントが付くわけではありません。ただし、留学をきっかけに将来の進学や就職の選択肢を考える方にとって、知っておく価値のある制度変更です。

高校留学を考えている方:まずは学びたいこと・進学先を大切に

カナダの中学・高校へ留学すること自体は、今回の高賃金職種に対する就労経験ポイントの対象にはなりません。

しかし、現地の学校で英語を使いながら学び、自分の興味や得意分野を見つける経験は、その後の大学進学やキャリアを考えるうえで大切な時間になります。

「将来は海外の大学に進みたい」「世界を舞台に働いてみたい」という気持ちがあるなら、高校選びの段階から、卒業後の進路も含めて考えておくことをおすすめします。学校の選び方を知りたい方は、Life Journeyのカナダ高校留学ガイドも参考にしてみてください。

大学・カレッジ留学を考えている方:卒業後の働き方も確認

カナダの一部の教育機関・プログラムでは、条件を満たす卒業生がPGWP(Post-Graduation Work Permit:卒業後就労許可)を申請できる場合があります。

ただし、すべての学校・コースがPGWPの対象ではありません。申請には語学力や専攻分野などに関する要件が適用される場合もあるため、入学前の確認が欠かせません。

卒業後、適法に就労し、Express Entryの条件に合うカナダ国内での職歴を積めれば、その職歴が将来のCRS評価に関係する可能性があります。

在学中のアルバイトやCo-op経験は、そのまま加点される?

注意したいのは、フルタイムの学生として在学中に得たカナダでの就労経験は、原則としてExpress Entryのカナダ就労経験ポイントには算入されないという点です。Co-opの就労期間も、Canadian Experience Classの最低要件では原則としてカウントされません。

Co-opやアルバイトは実践的な経験につながりますが、永住権のポイントとは分けて考えることが必要です。

引用元:カナダ政府「Post-graduation work permit: Who can apply」/IRCC「Can I count student work experience toward the Express Entry work requirement?」

将来のカナダ就職も考えるなら、留学前に意識したいこと

今回のニュースを見て、「有利になる仕事を選ばなければ」と焦る必要はありません。カナダでの学びを考える際には、次のような順番で整理していくことが大切です。

  1. 本人の興味・得意分野を考える:どのようなことを学びたいか、将来どんな仕事に挑戦したいかを話し合う。
  2. 学校と進路を調べる:高校卒業後の進学先、大学・カレッジのプログラム、卒業後の選択肢を確認する。
  3. 語学力を育てる:学校で学ぶための英語力だけでなく、将来働くために必要なコミュニケーション力も意識する。
  4. 制度の最新情報を確認する:PGWPやExpress Entryの条件は変更されることがあるため、出願・申請時点の公式情報を必ず確認する。

Life Journeyが大切にしているのは、「永住権を取れそうだから」という理由だけで留学先を決めるのではなく、本人が海外でどのような経験をし、将来どんな選択肢を持ちたいかという視点です。

短期留学で海外生活を体験することから始めても、高校から長期留学に挑戦しても、大学進学を見据えて準備しても構いません。一人ひとりに合ったペースで考えていきましょう。

すでにExpress Entryへ登録している方は11月3日までの確認を

カナダで働いている方や、すでにExpress Entryのプロフィールを作成している方には、今後の日程も重要です。

  • 2026年10月16日:IRCCが制度改定を発表
  • 2026年11月3日:新しいCRSの仕組みを適用開始
  • 11月3日以降:既存プロフィールの再計算(最大2週間程度)。この間、招待ラウンドは一時停止予定

特に、対象となる求人オファーがあるのにプロフィールへ登録していない方は、11月3日より前に必要な情報が正しく登録されているか確認するようIRCCが案内しています。

なお、新制度導入後のオンライン入力画面には暫定的な案内があるため、登録方法は政府の最新の説明を確認してください。応募内容や就労資格について不明点がある場合は、有資格の移民専門家などへの相談が適切です。

引用元:カナダ政府「2026 changes to points for Canadian work experience and job offers」/カナダ政府「Canada refocusing Express Entry on top talent that drives economic growth」

カナダのExpress Entry改定に関するよくある質問

Q. カナダの高校に留学すれば、今回の追加ポイントをもらえますか?

いいえ。今回の高賃金職種の追加ポイントは、対象職種での適格な就労経験や求人オファーに関するものです。高校に在籍しているという理由だけでは加点されません。

Q. 給料が高い会社に就職すれば、自動的に追加ポイントが付きますか?

いいえ。本人の給与だけでなく、政府が定めるNOCごとの高賃金職種の区分、就労経験や求人オファーの条件などで判断されます。

Q. 求人オファーがあれば永住権を取得できますか?

求人オファーによる加点が認められても、永住権取得が保証されるわけではありません。Express Entryでは招待ラウンドの条件やCRSの基準点、各移民プログラムの要件も関係します。

Q. これからカナダ留学する中高生にも関係がありますか?

すぐに永住権を申請するという意味では、直接の影響は限定的です。一方、将来カナダの大学へ進学したい、海外で働きたいという希望がある場合は、進路を考えるための情報の一つになります。

引用元:カナダ政府「Changes to Express Entry for high-wage occupations」/カナダ政府「High-wage occupations and how we assess them」

まとめ|カナダ留学は「その先の未来」まで考えてみよう

2026年11月3日からのExpress Entry改定では、カナダ国内での適格な就労経験や、対象となる高賃金職種での求人オファーがより重視されます。

一方で、このニュースを「カナダに留学すれば簡単に永住できるようになった」と受け取るのは正確ではありません。

留学は、永住権を取るためだけのものではありません。新しい友達との出会い、違う価値観に触れる毎日、英語を使って自分の考えを伝える経験。その一つひとつが、将来の可能性を広げてくれます。

だからこそLife Journeyは、今の英語力や成績だけでなく、興味・性格・将来の目標に合った留学を一緒に考えることを大切にしています。

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