日本から行く留学国として圧倒的人気を誇るカナダですが、学生ビザの申請について重要な変更が4点行われました。2024年1月22日付で学生ビザについて大きな変更がありました。
こちらの記事にて、学生ビザに必要な残高証明書の最低金額が2倍になったことをお伝えしました。この最低資金の変更に加え、新たに4点の変更がありました。
なお、今回の新しい変更は、現在学生ビザにて滞在中の方には適用されません。ですので、現在カナダに学生ビザで滞在している方や、現在の学生ビザを延長後でも影響を受けません。また、小学校〜高校に留学する方の学生ビザ申請に関しても変更はありません。
変更点①前年比35%発給数を減らす
学生ビザのみですが、2024年は、2023年と比較して35%減に当たる36万件に発給数を減らすことが決まりました。2025年の発給数は2024年末に決定されます。これらの学生ビザは各州毎に割り当てが決まっているため、カナダの中でも学生・学校数がともに多いBC州やON州に留学予定の方に大きな影響があるかもしれません。この変更は、修士号や博士号を目指す方には影響がありません。
変更点②学生ビザ申請の追加書類
学生ビザの申請において、従来の必要書類に加えて、各州の許可証（Attestation letter）が必要となります。なお、ケベック州の学校は従来から州の許可証が学生ビザ申請に求められていたので、変更はありません。
この変更は、修士号や博士号を目指す方には影響がありません。
変更点③卒業後就労許可証（PGWP）の申請対象者から私立カレッジ卒業生は除外
従来、8カ月を超えるカナダの指定の教育機関のプログラム卒業者が、卒業後に在学期間と同程度のワークビザをもらえる制度PGWPがありますが、この申請可能コースが狭まります。教育機関（私立カレッジ・公立カレッジ・学部課程・修士課程・博士課程）に申し込む前に確認が必要です。申し込み希望の教育機関が対象かどうかは、移民局のこちらのページで調べられます。
[View list by province or territory]の部分に教育機関がある州を入れると、教育機関一覧が出てきます。（この画像ではOntarioが選択されています。）
教育機関を検索して、一番右の覧の[Offers PGWP-eligible programs]をチェック。YESとあれば、申請可能な教育機関です。
変更点④配偶者のオープンワークパーミットビザは修士・博士課程のみ
従来は全ての学生ビザ取得者の配偶者に勤務先を限定しないオープンワークパーミットビザが与えられてきましたが、修士課程と博士課程で学生ビザを取得した方の配偶者のみへの発給となりました。
変更の背景と今後の動向
今回の大きな変更の背景には、学生ビザを利用しての移民の増加が挙げられます。近年、特に私立カレッジの生徒が増加しています。その結果、大都市では家賃、物価、インフラなどカナダ国民にも大きな影響を与える部分で、深刻なインフレや就職難を引き起こす結果になっています。現在カナダ政府は住宅の建設などを進めており、インフレ対策の目途が経った後には、また移民や学生ビザ拡大の政策をとる可能性もあります。カナダの政府動向もチェックしていきましょう。
最後に
数年前は移民受け入れ拡大をトルドー首相が発表した一方で、大きな変更がありました。日本人が留学する場合でも、学術機関に入学する際は、語学学校（6ヶ月以内）以外、必ず学生ビザが必要です。必要なステップが増えたことで、学生ビザの発給に長期間を要することも考えられます。
また、学生ビザからPGWPを取得後、ワークビザにて数年間働き永住権を申請する鵜というのが、カナダ永住権獲得の王道と言われていましたが、今回の変更でこちらの手段は最も可能性の高いものとは言えなくなりました。また、現在日本人にとても人気が高いオーストラリア・カナダのともに学生ビザの制限や扱いの変更が起こっています。そのため、他の英語圏への人気が高まることが予想されます。当社は、世界中の学校と提携しており、国を問わない幅広い提案が可能です。留学・移住・永住権に興味のある方、まずはご相談くださいね！
