日本の大学に籍を置いたまま休学して海外に留学する「休学留学」や、海外の学校でも単位認定可能な「認定留学」をする大学生が多くなってきています。
ますます進むグローバル化に対応できるだけの語学力、異文化適応能力やグローバルな視野を身につけ、就職活動での武器にしたい!と考える大学生は多いようです。
日本でも大学在学中の留学は就職活動に有利に働くことが多くなり、学生や企業の間で海外留学が浸透してきた結果といえるでしょう。
日本から海外に飛び出して自分の視野を広げ、自立した生活をしながら将来役に立つ英語力やスキルを身に付けることは、今後の社会生活における大きな糧となることは間違いありません。
この記事では、そんな大学在学中の留学としておすすめの「休学・認定留学」について、それぞれの特徴や、メリット・デメリット、また気になる就職活動への影響などについて解説していきます!
大学在学中に留学するメリット
✔️大学在学中であればブランクなし。新卒扱いそのまま!
一度就職しキャリアを積み始めた中で退職することは、就活時に苦労して取った内定やその後積み重ねたキャリアを一度捨てなければならないという大きなリスクを負うことになります。しかし大学在学中であれば、1年間、休学して年次が遅れたとしても、就職活動においては新卒扱いとなるため、その後のキャリアにブランクを作るデメリットを減らすことができます。
✔️国際的なネットワーキングができる。
急速な国際化に伴う企業のグローバル化から、日本国内の企業においても海外とのつながりは増大しています。渡航先でできる様々な国籍・バックグラウンドの学生達とのネットワークは、公私ともに将来の財産になることでしょう。
✔️グローバルな視点を身に付けることができる。
言語はもちろん、文化や習慣も異なる環境の中で生活し、就学し、プログラムによっては本格的な就労経験を積むことで国際的な視点を養うことができます。日本人としてのアイデンティティを持ちながら、広い視野に立って培われる教養と専門性や、異なる言語、文化、価値感を乗り越えて関係を構築するためのコミュニケーション能力、 協調性などを身に付けることができます。
✔️自分と向き合い、将来の方向性を再確認できる時間を持てる。
大学休学中に海外で日本社会の常識や既成概念に捉われず、また日本で専攻している学部とは異なるさまざまな分野にチャレンジできます。常識を覆される経験や今までに触れたことのない意見や価値観に触れることで自らを再度見直し、将来の方向性を見定めるよい機会となります。
✔️就活の武器となる経験を手に入れられる。
就職活動において、「今まで頑張ってきたことは何か?」「胸を張って自信が持てる経験は?」と聞かれ、改めて「自分には何があるだろう」と自問自答する学生は少なくありません。渡航中に現地の大学生と肩を並べ他言語で勉強する経験や、企業で本格的な就労経験を積む経験から、さまざまな困難を乗り越える精神力を培うことができ、就職活動においても他とは違う自分だけの経験をアピールできたり、今後の社会を生き抜いていく自信に繋げることができます。
休学・認定留学とは?
<休学>
在籍する日本の大学に籍を置いたまま、休学をして海外に半年〜1年間留学するのが休学留学です。
在籍している大学の協定校、また履修している科目に関わらず、自分の目的・希望に合った留学先やプログラムを選ぶことができます。
<認定留学>
多くの大学で、留学での取得単位を日本の大学の卒業単位として認定してもらう認定留学制度*があります。
各大学ごとに対象校が決まっており、また在籍している大学で履修している科目に関連する科目を履修するのが一般的です。
単位が認められれば通常通り4年間で卒業することができます。
*在籍する日本の大学によって、認定留学の制度は異なります。留学希望先の大学に出願する前に、必ず在籍する日本の大学に「認定留学」の条件を確認して下さい。
それぞれの特徴とメリット・デメリット
休学留学・認定留学は同じく、留学先としては自分の目的や希望にあった大学を選択することができますが、大きく異なる点もあります。
それぞれの特徴や、メリット・デメリットを見ていきましょう。
<休学留学>
メリット
✔️日本の在籍大学の協定校に限らず、留学先の大学を自分の目的や希望に基づいて自由に選択することができる。
✔️留学期間は日本の在籍大学で「休学扱い」となるため、日本の在籍大学の授業料は免除される場合が多い。
✔️帰国後は留学前の在籍年次から復学することになるため、留学を通して得た経験やスキルをその後の学生生活に活かす時間が多くとれる。
✔️在籍大学で履修している科目に関連する科目に限らず、自由に科目を選択することができる。
デメリット
・帰国後に、留学前の在籍年次から復学しなければならないため、4年で卒業できない。
・留学先の大学で取得した単位を、日本の在籍大学に移行できないことが多い。
・留学手続きを大学では行ってもらえないため、自分で行わなければならない。
<認定留学>
メリット
✔️日本の在籍大学の協定校に限らず、留学先の大学を自分の目的や希望に基づいて自由に選択することができる。
✔️留学期間も日本の在籍大学では「在籍扱い」となるため、4年で卒業できる可能性がある。
✔️留学先の大学で取得した単位を、日本の在籍大学に移行することができる場合が多い。
デメリット
・留学期間も日本の在籍大学では「在籍扱い」となるため、留学先の大学だけでなく日本の在籍大学にも学費を納めなければならないことが多い。(大学によっては若干の学費免除が適用される場合もある。)
・留学手続きを大学では行ってもらえないため、自分で行わなければならない。
・在籍大学での履修状況によっては4年で卒業できない場合もあります。
・一般的な海外の大学と同様、入学には高い英語力が必要。
※休学・認定留学制度の詳細や扱いは各大学によって対応が異なってきますので、事前に在籍している大学に問い合わせ、しっかり確認しておくようにしましょう。
休学・認定留学のスケジュール
<休学・認定留学のスケジュール例(1年)>
Q. プランニング開始時期はいつがいいの?
在籍する大学への休学手続きや単位の認定可否の確認など、実務的な手続き以外にも必要な準備は多くあります。ビザや航空券、保険などの手続きは一般的に3〜4ヵ月程度あれば可能です。
しかし、上記のような準備のためにも、渡航希望日の9ヵ月〜1年前からカウンセリングを受けるなど余裕を持って計画的なプランニングを行っていきましょう。
Q. 休学・認定留学のタイミングはいつがいいの?
留学おすすめの学年は、大学2年次または3年次の一年間です。
もちろん4年次でのチャレンジでも決して遅くはありませんが、4年次を休学して留学する場合は、3年次の終わりの春休み(2月〜4月)から、9〜10か月間の留学、そして就活対策を始めなければならない年末年始(11月〜12月)には帰国することをおすすめします。
2〜3年次の場合は、就活開始時期を意識して帰国時期を決めなければならないということがないため、丸々1年間留学することが可能です。
休学・認定留学のプラン
休学・認定留学の主なプランとしては以下のものが挙げられます。
<語学留学>
語学力を集中的に伸ばすなら、やはり「語学留学」。確実な英語力を身につけることは大きな自信につながるはずです。就活では留学中の語学力の伸び幅=努力の結果としてアピールにもなります。語学学校の各種英語試験対策コースは、試験結果をもとに英語力を形として残すことができるのでおすすめです。
<語学留学+インターンシップ>
「語学+インターンシップ」のプランは、語学力をアップした後、最後の数ヵ月間でインターンシップを経験するプランです。働く仲間も、仕事の相手も現地の人なので、語学のハードルは高いかもしれませんが、実践的な語学力を身につけることができます。
インターンシップができる企業は語学学校がアレンジしてくれることがほとんどなので安心です。
<語学留学+学部聴講>
留学の前半で語学力を上げ、後半に大学の授業を聴講する、「語学留学+学部聴講」
のプラン。大学の授業聴講に求められる英語力は高いため、スタートの段階で一定基準以上の語学力が必要とされます。しかし現地の学生に混じって、積極的に授業に参加する体験は、確実な実力アップが期待できます。
<専門留学>
大学生が帰国後の就職に生かせる留学経験として注目を集めている留学プランの一つが「専門留学」です。英語でビジネスやIT、会計、デザイン、ツーリズム、ホスピタリティ、医療や福祉など専門的な知識やスキルを学ぶことができます。習得するスキルや資格、学位などは履歴書に記載することができます。
就職活動への影響は?
留学経験が、帰国後の就職活動でどう影響するのか。メリットとなるのか、はたまたデメリットになるのか、気になっている学生は多いのではないでしょうか。
一言で答えるとするならば、それは自分次第といえます。
留学するメリットは、なんと言っても、仕事で英語を活かせることをアピールできるという点です。グローバル企業はもちろん、一般企業においても英語を使う機会は、日本でも年々増えてきています。語学力を生かして仕事ができることをアピールすれば、多くの企業に求められる貴重な人材となることができるでしょう。
また、留学することで、日本では経験できなかったエピソードが生まれることも大きなメリットの1つです。海外での生活の経験から何を学んだか、どのように苦労を乗り越えたのかを面接で話すことで、他の学生と差別化ができるでしょう。
一方で、留学するデメリットの1つは、企業からの期待値が上がる、という点です。留学=英語力が向上すると思われがちなため、「留学経験のある学生は、英語が話せて当たり前」と考える企業も多いのです。
しかし、どれだけ英語力が伸びるかはどうかは、本人の努力次第です。実際、せっかく留学したのに語学学校をさぼってしまったり、現地で全く英語を勉強しなかったりと、中途半端な英語力のまま帰国される方も少なくありません。ビジネスの現場で使える英語を身につけないまま帰国してしまうと、就職活動においてデメリットとなってしまうことは否めません。
特に、休学をすると、その分就活や卒業が遅れてしまいます。就活では休学した理由と成長した面を明確にしていないと、留学経験が不利に働いてしまうことも少なくありません。
そんなことにならないよう、仕事で使える英語力をしっかりと身につけ、TOEICや英検などのスコアなど目に見える形で結果を残し、企業にアピールできる証明を取得しましょう。
就活にも活かせる留学にするために
せっかくお金と時間をかけて留学するなら、就職活動に活かせる経験にしたいですよね。何も考えずに渡航してしまうと、海外を楽しむだけで留学が終わってしまいます。
そこで、帰国後の就職活動を失敗させないためにするべきことを5つご紹介します!ぜひ参考にしてみてくださいね。
1. 目的を明確にする。
就職活動を失敗させないためにするべきことは、渡航前からはじまります。まず、なぜ留学に行きたいと思ったのかを明確にしてください。企業の面接で留学経験をアピールする際、面接官に「なぜ留学しようと思ったの?」と聞かれる機会が多くあります。しっかりと明確に言葉で伝えることができるように準備しておくとよいでしょう。
また、明確な目的は留学へのモチベーションにもなり、留学中に気持ちが落ち込んだときに踏ん張れるきっかけの一つにもなります。
2. TOEICや英検を受検する。
前述したように、TOEICや英検など、英語力の証明になるテストを受験するとよいでしょう。履歴書の資格の欄が空欄にならないだけでなく、自分の英語力を客観的に証明できるため、書類選考で有利になる可能性が高くなります。
3. 留学生活でしか体験できないことに挑戦!
滞在中は、日本では体験できないことにチャレンジすることをおすすめします。例えばバックパッカーで滞在先の国を一周したり、現地のボランティアに参加するなど、日本では普段できないことに挑戦することで、新しい価値観や文化を学ぶだけでなく、判断力や適応力などといった、社会人として必要な能力も向上させることができます。ご自身の成長のためにも、ぜひさまざまなことにトライしてみてください。
4. 滞在中感じたことをメモする。
滞在中は、楽しいことはもちろん、苦労や失敗など様々なことを経験します。そんな時に自分がどう感じたか、どのようにそれを乗り越えたかなど、些細な事でもメモに残してみてください。書き留めておくことで、就職活動時における自己分析がスムーズにでき、企業にアピールできる材料を見つけるヒントにもなるでしょう。
5. 帰国後、成長した自分を振り返る。
帰国してすぐに、出発前と比べて自分がどのように成長したかを分析してみてください。企業の人事担当者は、採用候補者が、自身で選択した道でどのような成長をとげたのか、また、彼らに成長する力があるのかを知りたい、と考えている方が多いようです。そのため、留学中の経験や体験を明確に覚えているうちに、しっかり自己分析を行い対策しておくとよいでしょう。
まとめ
休学・認定留学は、例え休学して年次が遅れたとしても、就職活動においては新卒扱いになるため、その後のキャリアにブランクを作る心配はありません。
大学在学中の海外留学は、そのメリットを活かし、自分次第で今後のキャリアの大きな強みになり、自分の人生を豊かにすることのできる素晴らしいチャンスであるといえます。
帰国後の就職活動では、留学経験や英語力だけでなく、なぜ留学を志し、留学中にどんな努力をし、留学で何を得たか、といったエピソードをアピールにつなげることがポイントです。
有意義な留学期間にするためにも、まずは明確な目標を設定し、留学に向けて準備していきましょう!
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